稼げる可能性の期待値は確実に稼げることを意味しない

オンラインカジノで稼げるかどうかを考えるための基準としては、期待値を考察するという方法が有効だ。

期待値というのは「賭け金に対してプレイヤーが受け取れる可能性がある勝利金の見込み」を示した数値である。

この期待値が高ければ高いほど、理論的には「稼ぎやすい」ということになっている。

もちろん、期待値はあくまで「理論」であり「数値」でしかないため、期待値が高いからといって必ず儲けられるというわけではないことに注意してほしい。

あくまで、「稼げる可能性がある」という指標でしかないことを理解したうえでなら、期待値の考察は、ある程度はオンラインカジノの攻略の役に立つことがあるかもしれない、という話だ。

今回は、期待値の計算の仕方や、オンラインカジノにおける期待値、他ギャンブルの期待値などを見ていき、オンラインカジノが本当に稼げるかどうかを考えていきたいと思う。

期待値の計算式とオンラインカジノでの応用

期待値は「勝率x勝利金額 – 負ける確率x賭け額」という計算値で導き出された数値を、100%から引くことで導き出される。

バカラの「プレイヤー」に100ドルを賭けた場合を想定して、期待値の計算をしてみよう。

バカラの「プレイヤー」は配当が2倍、勝率が44.62%、負ける率は45.86%である。

100ドル賭けて、賭けに買った場合は100ドルの利益があり、負けた場合は100ドルの損失となる。

バカラの「プレイヤー」に100ドルを賭けた場合、期待値の計算は以下のようになる。

0.4462【勝率】x 100【勝利金】- 0.4586【負ける確率】x 100【賭け金】= -1.24

ここで導き出された「-1.24」を「100%」から引き算する(マイナスを足す)ことで「98.76%」という数値が確定される。これが「プレイヤー」にベットした場合の期待値ということになる。

期待値は長時間ベットした場合の平均値でしかない

期待値は「このくらい賭けたら必ずこれだけが返ってくる」という数値ではなく、「長時間ベットを続けた場合の平均値」でしかない。

だから、先ほどのバカラの「プレイヤー」にベットした場合の期待値である「98.76%」は、「かならず98.76%返ってくる」ということを意味しているのではない。

「長時間プレイした場合に100ドル賭けたら98.76%くらい返ってくるのが大体の平均である」ということを「理論的に」意味しているにすぎない。

「98.76%」の期待値であるゲームに賭け続けて、1ドルも返ってこない可能性もあるし、運がよければ「98ドル以上」あるいは賭け額の「100ドルの何倍もの勝利金」が返ってくる可能性もあり、それらの大きな勝ち負けを含んだうえで出された平均値が「期待値」ということだ。

期待値は胴元側の利益をあらわす数値でもある

平均値である期待値が100%を下回っている場合、「平均的には必ず胴元側に利益が行っている」ということを意味してもいる。

さきほどの「98.76%」という期待値は、胴元側から見れば「100ドルのベットごとに平均して1.24ドルのテラ銭が発生している」という数値でもある。

期待値は「プレイヤーがどのくらい稼げるか」であると同時に、それ以上に「どのくらい胴元が儲けているか」の指標でもあるわけだ。

期待値は、別名では「還元率」、「ハウスエッジ」などともいわれるが、この呼び名はそれぞれ「プレイヤー側」から見るか、「胴元側」から見るかで使い分けられている。

オンラインカジノと他ギャンブルの期待値の比較

オンラインカジノは、他のギャンブルと比較した場合に期待値が高いと言われている。

オンラインカジノは、バカラ、ブラックジャック、ポーカー、ルーレット、スロット、スポーツベットなど、遊ぶゲームごとに期待値が微妙に(あるいは大幅に)変化するため、「オンラインカジノ自体の期待値」というものを出すのが難しい。

だが、一応の目安としては「約97%」がオンラインカジノの期待値ということになっている。

パチンコ・パチスロが80%、競輪・競艇が75%、競馬・オートレースが70%、スポーツくじが50%、宝くじが46パーセントの期待値であることと比較すると、オンラインカジノの「約97%」という期待値がかなり高いことは明らかだ。

数値だけを見て単純に判断するならば「オンラインカジノは、日本の国営ギャンブルなどに比べて稼ぎやすく、胴元の利益も少ない」ということになる。

オンラインカジノの期待値が高くなる仕組み

オンラインカジノが他のギャンブルに比べて期待値が高くなる仕組みとしては、「運営・施設の維持費などがかからないためだ」と言われている。

オンラインカジノはインターネット上ですべてが完結しており、バカラやポーカーなどのライブカジノに必要な人件費や維持費に関してはオンラインカジノと提携するゲーム会社が場を提供するため、運営のための必要経費が他のギャンブルよりかからない。

たとえば、パチンコであればパチンコ店ごとの土地に発生する固定資産税、家賃、遊戯機械の準備と維持費用、水道光熱費、ホールスタッフの人件費などを支払える程度の黒字が必要となるため、「胴元の利益」を増やさなければならない。

これは、各種「現場」が必要とされる競馬や競輪などのギャンブルでも同じ事情があり、そのため、オンラインカジノの期待値に比べて、低い期待値になってしまう、というわけである。

ちなみに、totoなどのスポーツくじや、宝くじの期待値が不当に低いのは、これは「胴元が利益を得る」ということに開き直っているためであり、前述した施設の維持費などとは関係がない阿漕な設定となっている。

期待値が高いからといって本当に稼げるのか?

ここまでオンラインカジノの期待値の高さについて見てきたのだが、最後に「期待値が高いからといって本当に稼げるのか?」について考えていきたい。

結論から言うと「期待値が高いからといって稼げる」というのは眉唾ではないか、といったところである。

まず大前提から言うと、冒頭にも書いたようにこれがあくまで「数値」であり「理論」でしかないということに尽きる。

確率は、実際の勝負の場ではそれほどアテにならないため、信頼しすぎるのは危険である。

第二に、オンラインカジノの期待値は「長期間のベットから導き出される平均値である」ということである。

長いスパンで賭け続ければ賭け続けるほど「約97%」に近づくということは、要するに「長く賭けるほど平均で3%は負けてしまう」という損失のパーセンテージも同時に意味している。

第三に「期待値が高いから」という理由で「勝てるかも」という射幸心が必要以上に煽られるのは危険だ、ということもある。

期待値に期待しすぎるベットで、予算以上の軍資金を浪費して想定以上の損失を抱えてしまう、ということがオンラインカジノでは往々にしてありうる。

オンラインカジノの期待値が100%を下回っている以上、期待値に従うなら「短期間の勝負」での勝利の段階で勝負から降りるのがオンラインカジノの戦略としては有効ということが考えられるだろう。

期待値という「長期的なベットの平均値」でしかない数値からわかるのは、「勝てるかもしれない」と考えながらダラダラとしたベットを続けることは、胴元を着実に儲けさせる行為でしかない、ということだ。

期待値に振り回されすぎない冷静なベットと、状況に応じたやめ時の大胆な決断こそがオススメの遊び方である。

オンラインカジノについてもっと知りたい人はオンラインカジノのサイトを参考にしてみてほしい。